
鳥貴族が値上げしたって聞いたけど、お客さんは減ってないのかな?海外にもお店を出すって話は本当?

値上げ後も人気は健在で、むしろ業績は好調みたいだよ!アメリカやアジアへの海外進出も本格化するから、飲食業界の注目の的なんだ。

価格を上げても顧客が離れなかった具体的な戦略は何ですか?海外進出先の選定基準や、今後の国内での事業展開も気になります。

高品質な食材とサービスレベルを維持し、ブランド価値を高めたことが要因です。海外では市場規模と日本食への関心度を基に戦略を立てています。
焼き鳥チェーンの「鳥貴族」が、全品360円への価格改定後も既存店売上高を伸ばしV字回復を遂げています。この成功は、デフレ脱却を目指す飲食業界の試金石となると同時に、グローバル戦略として米国やアジアへの海外展開を本格化させる新たなフェーズの幕開けを告げています。
値上げ戦略の分析:なぜ鳥貴族は顧客に支持され続けるのか
「均一価格」の堅持によるブランド価値の向上
鳥貴族は創業以来の均一価格モデルを堅持し、「298円均一」から「360円均一」へと価格改定を行いました。しかし、国産鶏肉の使用や店舗での串打ちといった品質へのこだわりを変えず、QSC(品質・サービス・清潔さ)を徹底。これにより、価格以上の顧客体験価値を提供し、顧客からの信頼、すなわちブランドロイヤリティを維持・向上させることに成功しました。
メニューを選ぶ際の分かりやすさと会計時の安心感は、均一価格ならではの大きなメリットです。競合他社が複雑な価格設定を行う中で、このシンプルさが幅広い顧客層に受け入れられ、値上げ後も客足が遠のく要因にはなりませんでした。
鳥貴族の成功が飲食業界に与える影響
価格競争から「価値競争」へのパラダイムシフト
鳥貴族の成功は、単なる安売りによる集客モデルの限界を示唆しています。原材料費や人件費が高騰する中、品質やサービス、独自の体験といった「付加価値」を正しく価格に転嫁し、顧客の支持を得られることを証明しました。
今後、他の外食チェーンも単なる価格競争から脱却し、自社の強みを活かした価値提供へと戦略をシフトさせる動きが加速する可能性があります。消費者側も「安さ」だけでなく「質」を重視する傾向が強まるでしょう。
鳥貴族の今後の展望とグローバル戦略
米国・東南アジア市場への挑戦とその課題
鳥貴族は、成長戦略の柱として海外展開を本格化させています。すでに米国や香港、台湾への出店計画を具体化しており、「日本の焼鳥文化」を世界に広めることを目指しています。現地の食文化や嗜好に合わせたローカライズが成功の鍵となります。
海外展開には、食材の安定供給、現地での人材確保と育成、各国の法規制への対応など、多くの課題が存在します。これらの課題を乗り越え、グローバルブランドとして確立できるか、今後の動向が注目されます。