南鳥島のニュース見た？なんかすごい資源が見つかったらしいけど、あれって結局どういう話なの？
あれは日本の未来を変えるかもしれない大発見だよ！EVやスマホに不可欠なレアアースが、国内で大量に確保できる可能性が出てきたんだ。
でも、水深6000mって聞いたけど、本当に商業的に採掘できるの？コストとか技術的な課題はどうなってるんだろう？
超深海からの揚泥技術が確立され、商業化の目処が立ちました。これにより資源の安定供給網を構築でき、経済安全保障上、極めて重要です。
日本の最東端、南鳥島沖の深海に眠る巨大な資源が、ついに現実のものとなろうとしている。国家備蓄の数百年分に相当するレアアースを含むレアアース泥の採掘技術が確立され、日本の経済安全保障を根底から変える可能性を秘めている。
深海6000mの壁を突破した採掘技術の確立
世界初、大水深からのレアアース泥揚泥システム
東京大学や日本財団などのチームは、水深約5,600mの海底からレアアース泥を汲み上げる実証試験に世界で初めて成功した。特殊な揚泥ポンプと海底から船まで泥を運ぶライザー管を組み合わせたシステムにより、1日あたり70トンの揚泥に成功し、商業化への大きな一歩を踏み出した。
これまでの調査では資源の存在は確認されていたものの、超深海から効率的かつ安定的に採掘することが最大の課題だった。今回の成功は、その技術的障壁を乗り越え、机上の空論から商業生産へと移行させる画期的な成果である。
資源輸入国から脱却へ？経済安全保障への絶大なインパクト
サプライチェーンの変革と地政学リスクの低減
現在、電気自動車のモーターや半導体製造に不可欠なレアアースは、その供給の大部分を特定の国に依存しており、常に地政学リスクを抱えていた。南鳥島沖での国産レアアースの安定供給が実現すれば、この脆弱なサプライチェーンを根本から改善できる。
国内で安定的に資源を確保できることは、先端技術産業の国内回帰や新たな研究開発投資を呼び込む起爆剤となり得る。日本の製造業全体の国際競争力を高める効果も期待される。
商業化に向けた今後のロードマップと課題
採算性の確保と環境への配慮という二つのハードル
今後の最大の焦点は、商業ベースでの採算性の確保だ。採掘コストを既存の輸入価格以下に抑えるための技術改良が不可欠となる。また、深海の生態系への影響を最小限に留めるための環境アセスメントも重要な課題となる。
政府や関連企業は、2028年を目処に民間企業主導の商業化を開始する目標を掲げている。今後、泥からレアアースを分離・抽出する精錬技術の確立なども含め、官民一体となった取り組みが加速していくだろう。
